夢二

鈴木清順 1923-2017映画・俳優

サロン De 鈴木清順

鈴木清順、この名前をきいただけで意味もなく ワクワクニヤニヤする映画好きは、なにも僕だけじゃないはずだ。 没後9年の年月を経て、生誕100年を超えた今、 この監督が活躍した昭和といえば、 遠い昔のことであるからこそ、改めて時代が問い直すのだとすれば、 鈴木清順とは、一体なにものだったのか? 代名詞たる“大正ロマン”とはなんだったのか、という問いである。 それは遠い日の夢花火で片付けられるものではないのだ。 その感性に、まだ時代が完全に追いついたとまでは言いがたいが、 映画史に、その名を刻んでいる事実は 映画史のみならず、我が国の文化的な誇りといっていい。

鈴木清順「夢二」1991映画・俳優

鈴木清順『夢二』をめぐって

大正ロマン三部作、最後を飾るこの『夢二』は 清順愛好家からも、全2作からすると、 少し物足りないという声も聞こえてくるが これはこれ、清順節は相変わらず色濃く反映されている。 その絢爛豪華な美術にはうっとりするばかりだ。 女性陣の着物姿はもとより、装飾へのこだわりは随所にみられる。 なかでも、柱から手を離すと夢二の絵が現れるモンタージュや 廃墟での傾きベットでのいびつな情事、 黄色いボートがいきなり立ったり、それこそ十八番の色とりどりの襖だったり、 夢二の分身に絵を描かせたりと、妖しさ満載のトリックは健在である。