ルネ・ラルー『ファンタスティック・プラネット』をめぐって
フランス人SF作家ステファン・ウルの原作『オム族がいっぱい』を元に、 ローラン・トポールのシュールレアリスティックな絵を ルネ・ラルーとともに映像化したカルトアニメーションである。 そして全編を覆うアラン・ゴラゲールのプログレ的電子サウンドによって、 なお一層カルト色を強めている。 我が国では宮崎駿などが多大な影響を受けており、 支配/被支配の構造、知識の取得・転用の描写、 他者性・異種存在から解放/共存といったテーマの流れは 『風の谷のナウシカ』にも顕著にとりこまれている。 元祖『進撃の巨人』などというキャッチが踊るが、 どちらかといえば、中世の異端画家ヒエロ二ムス・ボスが描いた 『快楽の園』の世界感にも比較され、そのほうが理解しやすいかもしれない。



