映画・俳優 ヴィクトル・エリセ『瞳をとじて』をめぐって2025.07.08だれでも忘れられない映画というものがある。 ぼくにとって、ヴィクトル・エリセの『ミツバチのささやき』は そんな記憶に生き続ける一作品である。 スペインの映画作家ヴィクトル・エリセにとって、デビュー作であり 以後、約10年のスパンでポツポツと作品を撮りながら、 ここ約30年の歳月の沈黙を経て、完成させた『瞳をとじて』 満を持して、この寡黙な作家がようやくスクリーンに帰ってきてくれた。 今年83歳を迎えるエリセにして、長編4作目。