アントニオーニ『赤い砂漠』をめぐって
モニカ・ヴィッティ演じるジュリアナは 裕福な家庭の人妻だが、精神に病を抱えていて のっけから、子供と連れ立って歩く途中に、 見知らぬ男の食べていたパンを買いとって 草陰で貪り食う、そんなちょっと異様なシーンから始まる。 夫は、交通事故によるノイローゼだと言っているが、 必ずしもそうではないということが次第にわかってゆく。 病院に入院していたのも、どうやら自殺未遂からのことで、 夫との間にも、すでにすれ違いの溝が深く刻まれているのだ。
モニカ・ヴィッティ演じるジュリアナは 裕福な家庭の人妻だが、精神に病を抱えていて のっけから、子供と連れ立って歩く途中に、 見知らぬ男の食べていたパンを買いとって 草陰で貪り食う、そんなちょっと異様なシーンから始まる。 夫は、交通事故によるノイローゼだと言っているが、 必ずしもそうではないということが次第にわかってゆく。 病院に入院していたのも、どうやら自殺未遂からのことで、 夫との間にも、すでにすれ違いの溝が深く刻まれているのだ。
主演のモニカ・ヴィッティも想像以上に素晴らしい。 我が目に狂い無し。 さすがはアントニオーニのミューズだっただけのことはある。 レネの『二十四時間の情事』の雰囲気を漂わせながら 同じスタッフを兼ねているのが、 サシャ・ヴィエルニーのカメラワーク、 ジョバンニ・フスコのスコア。 どちらも職人気質ゆえの見事さ。 いわゆる傑作と言われるだけの作品に仕上がっている。
「好きな俳優のいる映画をみて、その好きさ加減について 想いを馳せながら他愛も無いことグダグダ書く」シリーズ、 前回の邦画編に引き続き、第二弾は洋画編を書いて見たいと思う。 普段、特に、邦画洋画を意識してみることなどないのだが、 やはり、体系化した方が、何かと整理しやすい、ということだ。