マルメロの陽光

Victor Erice 1940ー映画・俳優

サロン de ビクトル・エリセ

あれは「シネ・ヴィヴァン・六本木」がまだあった80年代の終わりだったか。 ビクトル・エリセのデビュー作である『ミツバチのささやき』に はじめて出会ったときの感動は、40年近く過ぎた今も、全く色あせてはいない。 いまだに、大切で幸福な映画体験の代表として、ことあるごとに「語ってしまう。 一つの事件のように、それほど、大きなショック、感銘を受けた映画なのだ。

マルメロの陽光 1992 ヴィクトル・エリセアート・デザイン・写真

ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』をめぐって

10年に一度しか撮れないのか、撮らないのか? 『みつばちのささやき』から10年後に『エル・スール』。 そのまた計ったように10年をかけ、 エリセが満をじして温めていた構想が テーマがかぶるということで、企画を断念せざるを得なかったのは 呪われた作家ゆえなのか? 幸い、そんな思慮深い作家が 気持あたらに手を伸ばしたもう一人の神秘があった。 スペイン美術を代表する画家アントニオ・ロペスである。