ヒルマ・アフ・クリント展「The Beyond」のあとに
何の根拠もない魂の導き。 それはどこでもない、だれのものでもない ただ自分の心の中でのみで起こることなのだ。 そんなおり、20世紀初頭に活動したスウェーデンの女性画家 ヒルマ・アフ・クリントの展覧会に足を運んだ。 文字通り、なにかに導かれるように、その絵と出会ったのである。 我々の前に、100年遅れでやってきたというのに、 なぜか現代的なモダニズムの洗礼を受けるかのような不思議な新鮮さ。 およそ、この世の時間感覚では量れない奥行きがある。 館内を目一杯に使う巨大なタブローの展示から、 身近で、どこかで発見したような資料のような絵まで、 その絵のレンジは実に様々で、魅力的に思えた。