ニコラス・ローグ

地球に落ちてきた男 1975 ニコラス・ローグ映画・俳優

ニコラス・ローグ『地球に落ちてきた男』をめぐって

そのなかで、1975年、初めて映画に挑戦の ウォルター・テヴィスのSF小説を実写化版 ニコラス・ローグの『地球に落ちてきた男』では まさに「はまり役」としてその宇宙人キャラを演じた。 ウォルター・デヴィスの原作がボウイのキャラを ふまえて書いたわけではないが、 ニコラス・ローグにかぎらず、この人かいない、 という思いは映画をみれば誰もが納得するだろう。 当人も満足していたのか、

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.37 どこまでも軽ろやかに語りたいB級アラカルト映画特集映画・俳優

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.37 どこまでも軽ろやかに語りたいB級アラカルト映画特集

なかにはカルトオブキングな作品、 つまりその筋では誰もが知る人気カルトもあれば それってそこまでカルトじゃないじゃん、というケースもあるかもしれない。 いずれにせよ、独断と偏見に満ちたB級映画を あまり小難しくならず、できるかぎり、軽やかに語ってみたい。 B九の醍醐味は、理屈では計り知れないのだ。 とはいえ、相手はくせ者だ、ならずものである。 そんな簡単に扱えるような代物じゃない。 えてして、こちらが過剰に反応してしまって、 あることないこと、語り尽くしてしまうことになるかもしれないが そこはひとつ、ご愛敬として勘弁願おう。

Don’t Look now 1973 NICOLAS ROEG映画・俳優

ニコラス・ローグ『赤い影』をめぐって

『赤い影』と言うのは邦題ならではのもので、 配給会社がつけたイメージタイトルなのだが 映画の内容からすれば、実に示唆的で、的を射たタイトルともいえる。 この「赤」は、ここでは明確に 血の色(死)に直結しているアイコンそのもので いたるところに散りばめられているからいやがおうにも目を惹く。 溺死した娘も、殺人鬼の小人も、纏っているが真っ赤な洋服であり 兄弟ジョニーの自転車も赤(そういえ帽子も赤)、 霊能者は赤いベストを着ているし、 寝ていた司祭がなにやらふと目を覚まし見つめるのも赤い蝋燭である。 主人公は赤い柄のマフラーを身につけ、その妻は赤いブーツを履き、 葬儀では霊柩船に赤い花が艶やかに飾られているのをみても 明らかに赤という色にメッセージが込められているのだ。