デヴィッド・リンチ

イレイザーヘッド 1976 デヴィッド・リンチサブカルチャー

デヴィッド・リンチ『イレーザーヘッド』をめぐって

絵を眺めるように、映画を読む。 挟まれる原爆の写真、精子のような動きの物体。 穴の開いたベッド、そして何よりも気味悪がられた魚のような赤ちゃん。 そしてぶつぶつおたふくのラジエーター女子。 で、なんといってもイレーザーヘッドの主人公ヘンリー。 どれもが異様な雰囲気を醸して見るものに不安を掻き立ててくる。 映画としての感性よりも、リンチの想像力への衝動の大きさが 映画をある種の方向性を導く強力なベクトルになっているがわかる。 絶えず響いてくるインダストリアルなノイズの効果もある。 あまりにも実験的だ。

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.37 どこまでも軽ろやかに語りたいB級アラカルト映画特集映画・俳優

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.37 どこまでも軽ろやかに語りたいB級アラカルト映画特集

なかにはカルトオブキングな作品、 つまりその筋では誰もが知る人気カルトもあれば それってそこまでカルトじゃないじゃん、というケースもあるかもしれない。 いずれにせよ、独断と偏見に満ちたB級映画を あまり小難しくならず、できるかぎり、軽やかに語ってみたい。 B九の醍醐味は、理屈では計り知れないのだ。 とはいえ、相手はくせ者だ、ならずものである。 そんな簡単に扱えるような代物じゃない。 えてして、こちらが過剰に反応してしまって、 あることないこと、語り尽くしてしまうことになるかもしれないが そこはひとつ、ご愛敬として勘弁願おう。

『ラッキー』2017 ジョン・キャロル・リンチ映画・俳優

ハリー・ディーン・スタントンスタイル『ラッキー』の場合

ジョン・キャロル・リンチ監督の初監督作品『ラッキー』は まさに掘り出し物だった。 劇場で観終わった後に、久々に純粋な映画体験として 幸福な気持ちに包まれた映画だった。 監督のデヴュー作が主役ハリー・ディーン・スタントンの遺作とが 重なってしまったという運命的なオマケがついているわけだが、 そんなことより、隣の誰彼構わず、良い映画だから観てみてよ、 と思わず吹聴せずにはいられない愛すべき映画だ。