ジュスティーヌ・トリエ

ジュスティーヌ・トリエ『落下の解剖学』映画・俳優

ジュスティーヌ・トリエ『落下の解剖学』をめぐって

ある日、一人の男が屋根から落ちた。 それは事故か、自殺か、それとも殺人か? 雪に沈んだ身体のまわりで、誰もが真実を求め語り出す。 だが、肝心の真実は沈黙したままだ。 そこに『落下の解剖学』における他者理解の臨界点が見えてくる。 ジュスティーヌ・トリエが描く『落下の解剖学』では、 ひとつの死をめぐる推理劇であると同時に、 理解しえぬ「他者」という迷宮の、果てなき歩行が映し出されてゆく。

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.41 ポストパンデミック後編:シネマでぶらり、映画鑑賞特集映画・俳優

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.41 ポストパンデミック後編:シネマでぶらり、映画鑑賞特集

コロナ禍においては、色々な制限が課されていたこともあり、 映画館へ足を運ぶ機会も意欲も、ずいぶん減ってはいたが、 最近では、気分的にも大きなスクリーンで集中してみる映画体験を 積極的に回帰している自分がいる。 とはいえ、映画を見たい、手軽に見たいという欲望が無くならないが故に、 ストリーミングに頼るという生活もまた、なくなる事はない。 作品を何度も見直すことができるし、 どこでもかからないような、貴重な作品さえも手が届く。 何より、映画を愛するものにとって有難いまでの仕組みが多く提供されている。 いずれにせよ、1本の映画作品の価値は、 形態や見方を変えても変わるわけではない。 その本質を見落としてしまえば、単なる時間の消費に過ぎなくってしまう。