ジャン=リュック・ゴダール『ワン・プラス・ワン』をめぐって
1968年、パリは燃え、学生たちは石を投げ、 体制への懐疑が世界を包んでいた。 ジャン=リュック・ゴダールはそんな五月革命の気運にのって トリュフォーやルイ・マルらとカンヌ国際映画祭を中止へと追い込んだ。 そして、ロンドンのローリング・ストーンズのレコーディング風景を 手持ちカメラの長回しでもって映画に取り込んだ。 ミック以下、若きストーンズの面々の貴重なレコーディング風景が はっきり映りこんでいる。 だが、音楽を期待しようものなら、じつに退屈にもみえる。 高揚なんかしやしない。 ブライアン・ジョーンズが未だバンドにいて、 その貴重な姿があるからといって、だまされはしないのだ。 音楽好きはむろん、ストーンズ好きにしても、 そう簡単にだまされはしないと思う。