ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.44 秋を嗅ぐ
やはり、秋はいい。いいのだ、秋。 そんなことを静かに噛み締めながらも、 やはり、モノには道理、そして移ろいがあり、 それを感じることは幸せなことであり、 それを感じ取れる日本という国が年々愛おしくなっている。 幸い、ようやく、不穏な空気、気配が開けそうな世の夜明けを横目に 希望のわく、そんな思いと、少し憂いを滲ませるという相反する 複雑な思いもかくさずに、サウダージな詩的なひとときを 言葉に託したいと思う。
やはり、秋はいい。いいのだ、秋。 そんなことを静かに噛み締めながらも、 やはり、モノには道理、そして移ろいがあり、 それを感じることは幸せなことであり、 それを感じ取れる日本という国が年々愛おしくなっている。 幸い、ようやく、不穏な空気、気配が開けそうな世の夜明けを横目に 希望のわく、そんな思いと、少し憂いを滲ませるという相反する 複雑な思いもかくさずに、サウダージな詩的なひとときを 言葉に託したいと思う。
流れゆく雲、廃屋のようなセット、 水溜りに浮かんだ顔が風で震える。 白い馬。そして子供と老人。 「i(私)」と書かれた風船が空に舞う…… イメージの断章、それは記憶の中の一風景なのだろうか。 ミュージシャンのポートレイトでその名を知られ、 数々のミュージッククリップや映画をも手掛けている オランダ人の写真家アントン・コービン、 そのプロデュースによるデヴィッド・シルヴィアンのシングル 「Red Guitar」(1984)でのモノクロームのクリップビデオに登場するのは、 英国の写真家、変わり種アンガス・マックベインという老人である。