山田太一『岸辺のアルバム』をめぐって
むろん、ドラマならなんでもいいというわけではない。 こちらは、今から半世紀も前のテレビドラマだというのに、 なぜか、どこかで見た風景が映し出されていて、なにかと心に刺さる。 じつに近しく、内容は実に骨太である。 のちに流行るトレンディドラマと呼ばれるものとは一線を画す内容の、 脚本家山田太一の傑作『岸辺のアルバム』という作品について触れてみよう。
むろん、ドラマならなんでもいいというわけではない。 こちらは、今から半世紀も前のテレビドラマだというのに、 なぜか、どこかで見た風景が映し出されていて、なにかと心に刺さる。 じつに近しく、内容は実に骨太である。 のちに流行るトレンディドラマと呼ばれるものとは一線を画す内容の、 脚本家山田太一の傑作『岸辺のアルバム』という作品について触れてみよう。
やはり、秋はいい。いいのだ、秋。 そんなことを静かに噛み締めながらも、 やはり、モノには道理、そして移ろいがあり、 それを感じることは幸せなことであり、 それを感じ取れる日本という国が年々愛おしくなっている。 幸い、ようやく、不穏な空気、気配が開けそうな世の夜明けを横目に 希望のわく、そんな思いと、少し憂いを滲ませるという相反する 複雑な思いもかくさずに、サウダージな詩的なひとときを 言葉に託したいと思う。
テレビ文化を、つまりはお茶の間文化と言い直してみると やはり、それは団欒の中心的象徴であり、 今のように、娯楽の少なかった時代においては、 あたかも、大衆にとっても神であるかのように扱われていたのは ある意味、自然なことだったのだろう。