ジャック・リヴェット

北の橋 1981 ジャック・リヴェット映画・俳優

ジャック・リヴェット『北の橋』をめぐって

その意味ではリヴェットによる『北の橋』は、かつて74年に撮られた傑作 『セリーヌとジュリーは舟でゆく』からの続編、 とはいわないまでも、ファンタジー性やその虚構空間においては 内容は違えど、どこか地続きの映画構造のように映るだろう。 いずれにせよ、物語に容易に収斂されえない展開ながら 本能的な自由を求める奔放さでもって 観るモノを魅了してゆくリヴェットらしい即興性に満ちた 遊び心満載の、謎解き冒険譚であることは間違いない。

log_vol38映画・俳優

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.38 忘れじの刻印、フランス映画特集

ある意味、時間が止まった世界の住人として見かねない先入観から 逃れえないといえるノスタルジーを引きずっているかもしれない。 それでもそれぞれに受けた印象は、時代を経て刷新されはするものの、 その感動や印象がけして色あせることなどないのだ。 今見ても、何かしらの発見や驚きがあり、感動がある。 そんなスクリーンを通して伝わってくる作り手たちの魅力的な空気を 言葉のみで伝えるには限界があるとはいえ、 できる限り埋めうるものを中心にカタチにしたにすぎない。 これは後生大事にしまってあるガラクタの宝石箱からの発信であり 美化しようというよりは、その魅力をただ伝えたいだけなのだ。