冬とともに、ミュージック実行委員会 VOL.3真冬のアンソロジー音楽

冬とともに、ミュージック実行委員会 VOL.2夢見る初春パビリオン編

今年の目標はなんですか? そう聞かれると、いつも、うまくいえなくて困るんだけど ないよりあったほうがいいのかな、やっぱり。 漠然と過ごしているだけじゃつまらないだろうし。 で、目標はなにかというと、夢を追うことなんじゃないかな? 歳を重ねれば、当然、先が見えてくるし、限界もわかっている。 いまさらやっても遅いって思うかもしれない、 でも、誰の夢かといえば、自分の夢であって、 だれからなにかを言われる筋合いはないわけで。。。

2026 乙酉の正月音楽

冬とともに、ミュージック実行委員会 VOL.1年末年始編

年があけましたね。 2026年、丙午スタートです。 さて、どんな一年になるんでしょうか? ただ、一年って早い。あという間にすぎてゆく。 でもこうして無事新年を迎えられたことがなによりの喜び。 歳を重ねると、些細なことが幸せに思えてくるもんです。 こうして、好きなことをしながら、のんびりすごせるお正月。

《アルノルフィーニ夫妻(ファン・エイクにならって)》アート・デザイン・写真

フェルナンド・ボテロの絵画をめぐって

さて、そんなふくよかフェチに自信をもって紹介できる画家、 それがコロンビアの国民的画家フェルナンド・ボテロである。 本人の女性趣味までは知らないが、 名前からして、すでに十二分のふくよかさの気配が漂ってくる。 確かに、その極端にデフォルメされた画風に 好き嫌いは分かれるところであるが ボテロの絵を前にして、顔を背けるひとはそういないはずである。 丸い。大きい。そう、ふくよかなのだ。 ひと呼んでボテリズム。 その第一印象は、どこか無防備で、親しみやすく、可愛らしい。 だが、その愛嬌は知れば知るほどにそう長くは付き合えないかもしれない。

『コンパートメントNo.6 』2021 ユホ・クオスマネン映画・俳優

ユホ・クオスマネン『コンパートメントNo.6』をめぐって

あれはユホ・クオスマネン監督『コンパートメントNo.6』と同じく90年代だった。 まだ携帯もSNSもない、前時代的な香りをどこかで残していた時代だ。 それでもヨーロッパ映画ではしばし、コンパートメントそのものが ドラマ性が滲む空間として記憶している。 ヴェンダースの『アメリカの友人』での列車内の壮絶な殺人、 ロブ=グリエの『ヨーロッパ横断特急』やブニュエルの『欲望の曖昧な対象』では 語り部の空間そのものとして使用されていたし、 あれはコンパートメントではないにせよ、 リンクレーターの『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』では ふたりの恋のきっかけがこの列車によって始まっていたのを思い出す。 そんなストーリーテラーには欠かせない空間においての ボーイミーツガール映画の顛末、はたして結末はいかに?

つぐ minä perhonen | 世田谷美術館アート・デザイン・写真

「つぐ minä perhonen」展を訪れて

そんな思いを抱えながら、冬枯れの硯公園を抜けた世田谷美術館で 創設30周年を記念しての開催中の「つぐ minä perhonen」展へと足を運んだ。 ミナペルホネンは、北欧、とりわけフィンランドの空気をまとい ミナとは「私」を、ペルホネンとは「蝶々」を意味する ファッション・テキスタイルブランドである。 ここ、日本を拠点に、ひとつの職人文化を継承する、 そんな生産チームを形成している。 実はこのことが、生み出された生産物共々、興味深く そのブランドの魅力にもなっているのだと思う。

『東京ゴッドファーザーズ』2003 今敏アート・デザイン・写真

今敏『東京ゴッドファーザーズ』をめぐって

今日はクリスマス。 ということで、クリスマスにちなんだ映画を取り上げようと思う。 クリスマスのちなんだストーリーは、古今東西、 バラエティに富んではいるのだが、 個人的な一押しでいえば、 少し前のビリー・ワイルダーによる名作コメディ、 ジャック・レモン主演の『アパートの鍵貸します』か ハーヴェイ・カイテル主演、ウェイン・ワンの『スモーク』あたりがズバリなのだが、 ちょっと渋いところで、ジョン・フォード、ジョン・ウェイン主演の 『三人の名付け親』といきたいところだが、 今回取り上げるのはそのクリスマス西部劇から着想を得たという、 今敏による『東京ゴッドファーザーズ』というアニメだ。 この作品は映画という名のアニメであると同時に 単なるアニメ以上に見どころ満載の映画でもある。 実に興味深い現代的な視点がいくつも投与されているが、 シリアスすぎるでもなく、 かといって、コミカルなその場主義的な 単純な物語に収斂しない“心に残る”作品として、語りたい魅力がある。

『北陸代理戦争』1977 深作欣二映画・俳優

深作欣二『北陸代理戦争』をめぐって

両親共々、富山県人で、 僕自身、小さい頃から北陸には何かと縁があり 新幹線よりもなにより“雷鳥(現サンダーバード)”によく乗った記憶が先立ち、 あの北陸なまり、独特の富山弁にも随分愛着があって それらの印象が今なお皮膚感覚でしみこんでいる。 いうなれば、ルーツともいえる地、それが北陸だ。 だが、越中強盗、加賀乞食、越前詐欺師。 これが俗に言う北陸人の気質らしい。 そんな物騒なことは、これまで微塵も感じたことはなかったが、 深作欣二の『北陸代理戦争』での幕切れとともに流れる 「共通しているのは生きるためにはなりふり構わず、手段を選ばぬ特有のしぶとさである」というナレーションに聞こえてくるように、 そういうところがあるのかもしれない。 そのあたりの考察をふまえて、映画を語ってみよう。

Ernst Haas「La Suerte de Capa, Pamplona, Spain 1956」アート・デザイン・写真

エルンスト・ハースという写真家について

最近、自分が撮りだめたスナップ写真を整理して 一冊の本「On the road」としてまとめた。 あるとき、偶然別の写真家の作品にふれたとき その触感がなぜか驚くほど似ているかもしれない、と思えたのだ。 それがエルンスト・ハースとの出会いである。 ハースは写真家でありながらも、 その写真が美術の領域にまで通底していることもあり そのスタンスに重なる視点を見いだすには、さして時間はかからなかった。 実際、抽象画と呼んでも良いような写真がいくつもある。 日頃僕自身が取り組んでいる作品に類似するものも随分見られた。 ただ、それまで、ハースという名前ぐらいしか知らず 存在が長い間漏れており、 当然、意識することも、影響すらも受けずきたことが なんとも不思議な気がするくらい、じつに奇妙な親近感を覚えるのだ。

座頭市 1989 勝新太郎映画・俳優

勝新太郎『座頭市』をめぐって

勝新太郎が1989年に撮った『座頭市』。 文字通りのラスト座頭市であり、 73年、自身の勝プロで『新座頭市物語 笠間の血祭り』を撮って以来 十六年ぶりに完全復活を果たし、 勝新が最後にメガフォンをとった作品としてシリーズ最終作であると同時に、 のちに訪れる破滅と影を予告する、 奇妙に澄んだ悲劇性をも帯び、いろんな意味で呪われた映画だ。