男と女のいる車内

060130の日記

ちょうど遊びにきていた女装趣味のおじさんKも参加して
ぼくらは近くのカフェで時間をつぶしたあと、
終電が間に合わないので、こちらはお先にと失敬した。

で、その帰りの電車内がちょっと面白かった。
途中からのってきた二人組の会話がヒットしたってわけ。
ひとりは中国からの留学生の女の子(出稼ぎ?)以下CG(china girl)
もうひとりは、たぶん、バイトで知り合ったフリーターの男の子、以下 F(Freeter)
すべては推測だけど、そういうことではないだろうか?
で、会話は、こう始まった

F君:ねえ、○○さん、将来どうするの?
CG:帰るよ。
F君:えっ、中国に帰るの? みんな帰るよね。
CG:だって残って何するの?
F君:寂しいよ・・・・

ここで、なんだか面白い雰囲気がした。
で、ここから、F君のバイト遍歴の話が始まった。

F君:いま、ラーメン屋とパチンコ屋と松屋かけもちなのね。
   最近さ、どこもアジア系ばっかだよ。日本人いないね。面接くるのみんなアジア系ばっかで、うちの店長もぼやいてた。
CG:多いかも・・・
F君:前ね、オレ居酒屋にいたんだけど、ばっくれた。
CG:ばっくれ?
F君:ばっくれ、わかんない? 逃げるってことね。いじめられてたの、仕事できないから。で、無断欠勤とかして。やめたらさ、今度店のカネ盗んだ容疑もかけられてさ。
まいったよ。
CG:もう大丈夫?
F君:いまはもうすんだ。でもね、仕事は厳しいよ、どこも。なんか、やりがいのある仕事がしたいな。だってラーメン屋やりがいないの。オレ、30までにフリーター絶対抜け出すよ。
CG:がんばって(笑)
F君:オレね、歌手になろうと思ってるの。でも、曲はつくらないけど。キャッチってわかる?
CG: わかるよ。
F君:今ね、キャッチ考えてるの、歌の。オレ、自分の気持ちを伝えたいの、歌で。
  ね、こう、絶対負けたくないって気持ち(ボディランゲージを見せる)伝えたいの、ラーメン屋でもいつもそんな気持ちなの。オレは負けたくない♪って感じ。
CG: わたし、コーヒーショップはたのしいよ、コーヒーショップできたら?
F君:時給安いじゃん。
CG: でもみんなやさしいよ。
F君:それはね、女の子にはやさしいの、優しくしないと女の子はやめちゃうから。
先輩にそう教えられたもん。オレはね、女の子よろこばせる仕事したいのね。ホストとかやってみたい。
CG:( 笑いながら)ホスト?
F君:そう、ホストって、女の子にやさしいじゃん。そうそう、「夜王」ってドラマあんの、その影響かな。知らない? でも、ホストって女の子、すぐ捨てちゃうから、そんなのはだめなの、オレ、そういうタイプとかじゃないよ、だって、愛があるから。 悩み事とかあったら、聞いてあげるの。相談にのってあげたりするの。裏切らないよ。だって、愛があるもん(二度目)。
CG:わかんない。
F君:わかるよ、オレ、そういう人間だから。  

なんども笑いそうになったけど、我慢した。
でも、いってることはなんとなくわかる。
真剣で、でもなんかあんまりすれてなくて、F君はどこか憎めないキャラの男の子だった。女の子のほうは逆にクールにただ笑って聞き流していたっけな。おそるべし、チャイナガール。
F君の方が、手前の駅でおりたけどCGは、F君下車のあと、確かに「へんなひと」とつぶやいたのが耳にはいった。
がんばれ、日本男児、思わずそういいたくなった。
君は、歌手でもホストでもなんでもいいんじゃない?
いまのその純粋なハートを失わないでくれればいいよ。
そのとき、フリーターであっても、君が君でいればいい感じだよ。

ひさびさに、楽しい人間ウォッチングだった。