ジャン=ジャック・ベネックス『Diva』をめぐって
フランス映画=おしゃれ、 巷ではいまだにそんな単純な公式が横行している。 ベレー帽絵をかぶる人=手塚治虫だったり、 訳のわからない絵を描く=ピカソ、 黒人なら=運動神経抜群であるはずだ、などと同じく、 そんなステレオタイプの思い込み、先入観に裏付けされるまでもなく、 ジャン=ジャック・ベネックスの映画『Diva(ディーバ)』には 確かに、モード誌的世界観を再構築するかのような、 当時のモード観を刺激するだけの要素に満ちた ポップカルチャー満載のモダンな視覚映画といえるのではないだろうか。