森村泰昌『全女優』をめぐって
妄想転じて、禁断の趣味への序奏を奏でよう 世の中には女装癖という、言うなれば禁断の趣味がある。特殊な環境に身を置かぬ限り、嫌悪され、唾棄されることも多いと思われる。一般的には女による男装趣味よりも圧倒的嗜好者の数だと思わ...
妄想転じて、禁断の趣味への序奏を奏でよう 世の中には女装癖という、言うなれば禁断の趣味がある。特殊な環境に身を置かぬ限り、嫌悪され、唾棄されることも多いと思われる。一般的には女による男装趣味よりも圧倒的嗜好者の数だと思わ...
定番のドンゴロスバックに、 白と赤のグラフィックなタイトルバックで始まる、 変わらぬ安定の小津調と思いきや この『小早川家の秋』はホーム松竹ではなく アウェイの東宝作品である。 東宝のプロデューサー藤本真澄ら、たっての希望により 招聘された客人映画として 通常の小津作品には見ることのない、 ちょっとだけ異質な空気感を孕んでいる。
塔がたっても薹はたたない、永遠のバベルについて喋ってみよう 秋といえば、バロック。バロックといえば秋。なぜかそんな刷り込みがどこかで出来上がっている。ダニエル・シュミットの映画『デジャヴュ』よろしく、あたかも中世の森へと...
武満さんの凄さは、その精神の自由さ、 であると同時に、僕にとっては 美術やとりわけ映画への造詣の深さが半端じゃない人 という側面が大きい。 それは若くして出会った運命の人 詩人瀧口修造直系の影響をもろにこうむっているところからくる。
ダニエル・シュミットのドキュメンタリー映画『トスカの接吻』について書いてみよう。 初めて見た時の感動は忘れないのだけれど、 年齢を重ねてみる感慨はまた違うものだ。 同時にいろんなものが見えてくる。 人間は歳をとっても本質的に変わらないものだっていう、そんな見本がここにある。 いいんだわ、老人たちの顔がね、素晴らしいの。
さては今宵の月を見て、すでに100年以上も前 20世紀初頭に撮られたファンタジー、 ジュール・ヴェルヌの『月世界旅行』 HGウェルズの『月世界旅行最初の人間』に触発された 古典SFの傑作メリエスの『月世界旅行』を 月見のお供に鑑賞することにいたしましょう。
アンディ・ゴールズワージーは、 自然界にあるマテリアルを使って一期一会の作品を作り、 その場をまるごと写真に記録するアーティストである。 それはまるで、鳥や虫たちの営みのように、 おごりなき所作で作られる。 自然との対話=行為を作品とする人。まさに神の遣いだ。
実家は大阪にあるが、育ちはその中でも田舎の方だ。あえて町の名前は伏そう。南の方だ。町をあげてだんじりが駆け回る町。祭りがくると学校が休校になったっけ。繁華街なんてものはなく、時代も手伝って、周りは田んぼばかりだった。ちょ...
オータムコタム、山から小僧がやってきて・・・芸術の秋、食欲の秋。深まる秋にちなんで、ロピュマガジンはとりあえず、第二弾「秋特集」を打ち出したいと考えまする。私はこの秋という季節からが本番、かき入れ時と申しまししょうか、収...
ロピュ家の定番セレクションPart2 オレの話を聞けっ。じゃなくて、オレの定番を聞いてみて、とおねだりするまでもなく、元から名盤ばかりだから、なにもここで声を張ってもしょうがないか。 Comme une radio/Br...