成瀬巳喜男『女が階段を上る時』をめぐって
その上で、この映画における森雅之のグズグズ感、 仲代達矢の小生意気なニヒルっぷり 頑張って生きる女たちの周辺を巡って 男たちは絶えず甘い汁を吸おうと集まってくる。 女は人生に翻弄されながらもたくましく生きてゆく。 こうした一つ一つが積み重なって奇跡のように 上質で無駄のない日本映画の黄金時代を証明する作品に仕上がっている。
その上で、この映画における森雅之のグズグズ感、 仲代達矢の小生意気なニヒルっぷり 頑張って生きる女たちの周辺を巡って 男たちは絶えず甘い汁を吸おうと集まってくる。 女は人生に翻弄されながらもたくましく生きてゆく。 こうした一つ一つが積み重なって奇跡のように 上質で無駄のない日本映画の黄金時代を証明する作品に仕上がっている。
要するに『女と男のいる舗道』は ゴダール流のアンナ・カリーナへの愛を汲み取らねばならない。 ルイズ・ヘアーにさせ、 映画館でドライヤーの『裁かるゝジャンヌ』を見て涙をながさせ 娼婦のまねごとをさせ、そしてあっさりと死の洗礼を浴びせる。 非常なのか、クールなのか、 そんなレトリックにゴダールとカリーナの六年間の愛の歳月をみる。
感傷か鑑賞か、悲喜こもごもの人類小咄 マットペイントというものをご存じだろうか?実写と背景画を合成するやりかたで、街並みや周囲の建物等を含んだ背景画そのもののことをいう。よく見れば、あれって絵だね、写真だね、ということは...
内容からすれば、おしゃれなコメディータッチのロードムービー風 とでも言えるのかもしれないけどね。 やっぱし、これは日本的ではない なんてーのか、インテリジェンス、ウイット、ユーモア ジャンルの型にはめようとすると限界があるんだけど ぼくはそれを「ユロビートムービー」と名付けよう。 オフビートタッチのロードムービー、うん、ま、そんなところ。
あまりにも近く、あまりにも遠いもの。物理的、あるいは精神的な距離とは逆に、強く心が揺さぶられながら、ひたすら勝手に思い入れ強くして入ってゆくものがある。その世界は一個の巨大な惑星というべき威厳に満ちて、こちらに容赦無く無...
うたかたのアウトサイダーは、弾ける男根少女たちの夢を見る 自分にはいつもどこか漠然とした孤独感というものがあり、それ自体に苛まれることは、時々あるにせよ、きっと永遠に消えないひとつの傷痕なのかな、と思っている。いうなれば...
圧巻五百体もの若冲羅漢たちは、あっけらかんと光臨を仰ぐ いっときあんなにも世を賑わせていた、若冲ブームとやらは、時の流れの前に過ぎ去ってしまったのか?いやいや、江戸の鬼才伊藤若冲画伯が、そう簡単に飽きられるはずはないし、...
虎チックコメディ 今年も虎は頂点に立つことができなかった。野球、タイガースの話である。今年は春先から調子が良く、久しぶりの美酒に酔うかとそわそわして眺めていたら、最後の最後で定番の肩透かし。最終試合で惜しくも優勝を逃して...
瑛九の眼差しは魂の永久運動を感光する EI-Qこと瑛九という、ちょっと変わったペンネームの画家がおりましたとさ。主に抽象画から版画、印画紙の特性を生かしたフォトグラムまでまるで光のごとくわずか48年の生涯を駆け巡ったアー...
美の女神は女に疲れた男よりも憑かれた画家を愛す エロティシズムを、人間性の局限された一部分だとしか考えられない者、不当に蔑視し隠蔽して、これを道徳その他の人間精神の働きの下位に立たせようとする者には、ついにスワーンベリの...