サブカルチャー

アイドルたち 1968 マルク’Oサブカルチャー

ビュル・オジエスタイル『アイドルたち』の場合

それでも、これはビュル・オジエのデビュー作として、 その麗しきコケティシュな魅力に彩られた作品として 記憶されるべき映画である。 見ているうちに、その後のリヴェット作品の核にもつながる、 過剰なまでの演劇性、舞台志向の予兆が十分に垣間見れるのは貴重だ。 アイドル遊びに夢中になっている若き日のミューズの姿にひとまず乾杯しよう。 この馬鹿馬鹿しい虚像を演じつつも、 一足先のことを見据えているのが、したたかなアイドル達の眼差しなのだ。

Winnie Harlowサブカルチャー

ウィニー・ハーロウについて

肌の色だけで憎しみや悲しみ、論争や事件を生む時代。 「私たち、何も違わないわ。ただの肌よ」 本名シャンテル・ブラウン・ヤンというカナダ出身の 世界で最も美しい「まだら肌」のモデルの言葉が ふと目に留まる。 ファッション界、モデル界を語れるほど、 その分野には明るくはないが、 このイットモデル、ウィニー・ハーロウについて、 いいなと思った。 素敵だと思った。

サブカルチャー

向田邦子『阿修羅のごとく』をめぐって

世に言う修羅場というのはそこから来ていて、 このホームドラマでは四人の姉妹がそれぞれの修羅場を通して 姉妹、家族の絆を確かめ合う。 いがみ合っても、距離を保っても 血の濃さ、深さは何ものにも代え難いということを さりげなく、そして豊かに証明してみせる。 今時、こんな歯ごたえのあるドラマがあるだろうか?

メトロン星人サブカルチャー

ウルトラセブン・実相寺マジックをめぐって

この宇宙人に子供心に心奪われたのは、 青赤黄、原色のよる魚類っぽいシュールな頭部を持っていたからではない。 その登場になにやら親しみを抱いたからだろう。 なにしろ、四畳半一間のアパートの一室で、 モロボシダンとちゃぶ台を挟んで会話をするシーンが なんともいえぬお茶目な哀愁を漂わせていたからだ。