ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.17

ロピュマガジン【ろぐでなし】vol.17
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交感する季節高らかに

梅雨入りする前に、書いておきたいことがある。
それは世の中には、いろんな風が吹いているということ。
だから、自ら風を起こすまでもなく、大事なことはまず風を感じるということ。

昨年あたりから「風の時代」などという言い方が、
スピリチャルな世界でもしきりにもてはやされていた気がするが
「風が変わる」こと=世の中が変わる、流れが変わる、ということなのだろうか。
実際、この世の中はコロナウイルスの出現で大きく分断されてしまった。
いいか悪いかは別だが、大きく選別された印象を受ける。

しかし、結局は個々の感じ方が全てなのだ。
この新緑あふれる五月の気持ち良さは、いっぱしの言葉なんかで言い表せない。
まさに、風の吹くまま気の向くままに生きてきた僕の人生には
この風の恩恵なしにはありえない。

それを家でじっとステイホームして、悪い流れを耐え忍ぶ、というのは
ちょっと違うんじゃないか、と思うのだ。
いまこそ、外に出て、風を自分の肌で感じ、
そして日々気持ちを新たにすることで、新しい道が開ける、そう思っている。
何人たりとも、その自由を邪魔する権利なんてないはずだ。

細野晴臣、というか、はっぴいえんどの名曲「風を集めて」にあるように
ぼくはひたすらに風を集める。
そして、大空を駆けたいのです。
何人にも侵害されることのないぼくだけの世界で、
ぼくは風に棲まう自由な魂たちと交感することが歓びなのだ。
そんなわけで、まだ間に合う、風を感じることに特化して
ここに特集を組んでみよう。

あくまでのイメージとしての「風」ではあるけれど
無風地帯の安穏さよりも刺激的で、人間を感じることができるだろう。

特集:風に棲まう魂、交感する季節をめぐる十の事柄

  1. 風と交感するためのプレイリスト
  2. デカダンサー、コンレスポンダンサーに憧れし君への交感日記・・・シャルル・ボードレールをめぐって
  3. ヴェールを脱ぐ女、その抗戦のイリュミナシオン・・・エリック・ロメール『緑の光線』をめぐって
  4. 風薫るボッサの季節に、神様を偲んでみよう・・・ジョアン・ジルベルトをめぐって
  5. 悪女に焦がれ身を焦がされ、つむじ風に弄ばれて・・・フランソワ・トリュフォー『突然炎のごとく』をめぐって
  6. 〝らも〟しれない世界に紛れて・・・中島らも『お父さんのバックドロップ』をめぐって
  7. ファッションのみにあらず、丸くて大きな人生の虹彩学・・・アイリス・アプフェルについて
  8. 風に放つ白と赤の酩酊を共に。不朽のファンタジストに乾杯・・・アルベール・ラモリス『赤い風船』をめぐって
  9. 色彩のイッテン主義、賢者の教義を聴講するべし・・・ヨハネス・イッテン『色彩論』をめぐって
  10. 透明さを通じて不透明さを知る、いまこそ風の言葉に眼差しを・・・諏訪敦彦『風の電話』をめぐって

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